ディテールに答えがある

代表者:宋海花(ソン·ヘファ)
設 立:2004年
本社所在地: No.802, Byucksan e-Centum Class One. 99 Centum Dong-Ro, Haeundae-Ku, Busan, 48059, South Korea
ホームページ:www.oceanentec.com
電話:+82-51-862-3939
主な輸出製品: 船舶用エンジン部品、造船部品、自動車部品
釜山(プサン)センタムシティーの市街は、それぞれの予定に追われ、どこかに向かう人たちで埋め尽くされていた。 6月の暑い日差しの中、センタムシティー市産業団地の密集した街の人波を抜け出して着いたところは造船機材・資材を世界市場に輸出する(株)オーシャンエンテックのオフィスだった。8階に上がって、オーシャンエンテックの宋海花(ソン·ヘファ)代表(52)に電話をしたら、10メートル先に電話が鳴った。 宋さんは会議の後、お客様を見送っていた。
(株)オーシャンエンテックのオフィスに入ると、造船などの重工業製品を輸出する企業とは信じられないほど、綺麗な内装に感銘を受けた。 この職場の雰囲気は全然違っていた。 宋さんの事務所の入り口から、英語、日本語、その他の聞き慣れない言葉が聞にした。 これは銃声なき戦争と言えるほど、専門商社らしい雰囲気だった。
事務所の壁に掛かっている三つの言葉が会社の社訓のようだった。
『迅速、正確、信頼』。
水をいただきながらお待ちしている間、宋さんは日本のバイヤーと電話をしていた。 電話の内容が完全に理解できたわけではないが、お互いの信頼に基づいて迅速かつ正確に対応してくれる宋さんのエネルギーを感じた。
*女人禁制の領域、造船業界に飛び込む*
(株)オーシャンエンテックは、造船資材を主な輸出品目とする会社として2004年に設立され、2014年に法人化した。創業者の宋海花(ソン·ヘファ)さんは、日本の大学を卒業した後、1992年に韓国に帰国していた。しかし、90年代初頭の韓国の企業文化は、女性は使い走りをしたり、タバコのお遣いをさせられたり、つまらない仕事を任されることが多かった。 結婚するということは、辞表を提出することと同じ意味だった。
このような状況下では留学生活が終わったばかりの女性、しかも結婚している女性を雇う企業は多くなかった。エントリシートも今のようにネットで提出出来なかった為、宋さんは200件以上の履歴書を手書きしたことを覚えている。
1994年に、やっとのことで彼女が入社に成功した最初の会社は韓国海洋大学出身のオーナーが設立した会社だった。 彼女の経歴は、日本やヨーロッパから輸入された造船機資材を国内の造船所に供給する営業チームから始まった。流暢な日本語と社交的な性格で、宋さんの販売キャリアは花開いた。
その中、より広い世界を体験するために1999年に退職し、語学研修のためにイギリスに渡り、2001年にはオランダの造船業界でも働いた。 2002年に韓国に帰国して以来、彼女は業界で働き続けてきた。
女性にとって造船業界で働くことは難しくないか、という質問に宋さんは首を横に振った。 彼女は、「重工業」という言葉には強烈な男性的イメージがあるが、製造から輸出までの流れには女性の繊細さが必要だと説明した。
その後、10年間の業界生活を経て、2004年にオーシャンエンテックを設立した。創業の理由は彼女が自分自身に持った確信と未来に対した不安だった。定年を過ぎても働く自信はあったが、子育て中のワーキングマザーとして定年まで生き残るかどうかについては不安であった。彼女はそんな考えに至ると、一刀両断に自ら会社を立ち上げた。
貿易商社は携帯電話とファクス、メールアカウントさえあれば、四畳半でも営業ができる仕事なので恐れはなかったと話した。彼女は「最初は、仕事も顧客もなく退屈していました。」と思い出しながら微笑んだ。 電話が全くならないので、彼女はよく冗談で友達に電話をして、「電話が通じるかどうか分からないから、私の事務所に電話してみて」と言っていたという。
しかし、宋さんはぶらぶらして過ごしたわけではない。大学時代と海外勤務の時マスターした日本語と英語を超え、中国語の勉強と大学院の過程も進めながら準備の時間を取った。
※「迅速、正確、信頼」で三井重工業との取引開始。
今のオージャンエンテックになった決定的なきっかけは三井造船のパートナー企業との提携であった。当初、船舶新造に必要な部品を納品するまでは大変困難を伴うことになるが、一度納品ができたら安定したシステムを維持することができる。 もちろん、これをを達成することは容易ではない。
宋さんは10年以上の造船機材・資材の輸出経験を持っていたが、創業当初は仕事がなかった。 業界の顔見知りの紹介で八か月目に受けた初発注は、日本の自動車工場で使われているフォークリフトのキャスターだった。2件目の注文は三菱自動車の工場で使用されているウレタンピースだった。その後、偶然にも、ある日本の銀行の支店長の紹介でさぬきうどんが使用する鈴木製麺機を受注した。

オーシャンエンテックのCIと船舶エンジン部品の輸出。
「最初は図面を見たこともなく始まりましたが、三井造船とは15年間取引を続いています。専門知識、ディテールと世界市場で通用できるマナーが重要だと思います。」
初めは強い関係性ではなかったが、迅速で正確な営業力を発揮して見せた。その結果、鈴木製麺所の韓国代理店役を任されることとなった。現在、韓国の製麺技術力は急速に向上しているが、当時、三養(サムヤン)やオトギなど韓国の主要企業も鈴木製麺機を使用していたので、それなりの価値があった。宋さんはその頃に「迅速、正確、信頼」が社訓となったと彼女は語った。
この社訓のおかげで、三井造船の船舶新造に部品を納品してから15年間安定した取引を続け、現在は造船機材・資材を中心に非鉄加工品と機械加工品など大幅にその領域を拡大している。
*オーシャンエンテックの成長の秘訣*
2016年に初めて輸出額200万ドルを突破し、昨年(2017年)には250万ドル、今年(2018 年)は300万ドルの達成を目指している。
オーシャンエンテックの宋社長は、成長の秘訣として3つを挙げた。1つ目は専門知識、2つ目はディテール、3つ目はグローバル市場で通用できるマナーの3つを挙げている。
彼女は専門性を強調しながら、それも意志と努力の問題だと説明した。宋さんは、最初は造船業界の最高経営者(CEO)を担うには厳しい条件下にいた。入社まで図面の読み方も知らず、機械の工程は見たことすらない女性だったからだ。しかし、彼女は業界で流れている一連の業務を通し、少なくとも一つ以上は専門家になろうと努力をしてきた。それが彼女が業界で生き残れた理由であり、会社を成長させることができた礎になった。
次はディテールだ。特に、船舶新造のように、製造から輸出まで一貫している安定的な業界こそ、より繊細な注意を払わなければならない。変動が少なくて安定されている業界は、緊急の課題を見逃した時のダメージが莫大になるからだ。 最近、そのようなケースがあったと語った。
宋さんと職員は、長さ約2メートル、重さ約50キロ以上の加工物を船で日本の工場に直接届けたことがある。
長さ1メートル以上の資材は飛行機に積み込めず、20kg以上の資材は日本への高速船にも積み込めず、国際速達便で3日かかる。
日本の工場にとっては36時間以内に対処しなければならない緊急かつ重要な仕事だった。その故、宋さんは韓国工場での18時間の製造工程を含め、完成した製品をすぐに船に乗せ、30時間で日本の工場に直接納入することが出来た。
宋さんは、そのようなケースは頻繁には発生しないが、船舶新造スケジュール問題が発することは一件もあってはいけない。造船業界の安定と時間厳守は、このような観点から重要である。
オーシャンエンテックの全従業員は、三井造船の販売状況、経営上の変数、韓国メーカーの環境やスケジュール、三井と韓国メーカーの担当者の状況、そして彼らの最新のバイオリズムにさえ注意を払っている。つまり、わざわざこんなところまでと考えられることすら、全部チェックしているということだ。

コネクティングロッドとクランクピンベアリングキャップ

MGキャスティング
3つ目に強調したのは国際的に求められる水準のマナーだった。 「マナー」という言葉の意味のより詳しい説明を聞いた。宋さんは、信頼を築ける準備ができている「人柄」と、貿易ビジネスをリードする「国際感覚」を「マナー」と説明した。
最後に、「従業員を雇うときも、自分が重視する専門知識やディテール、マナーを必ず確認するようにしております。」と締め括った。
*オーシャンエンテックの未来を聞く*
オーシャンエンテックが喫緊の課題として重点を置いたことは主に二つある。 一つ目は、国際海事機関(IOM)が2020年に施行する予定のNOX規制の下で増加するスクラバー需要に対する市場の開拓である。二つ目は南米の造船市場を開拓したいという願望だ。
どちらも簡単ではないと予想される。IMO規制により、スクラバー需要は増加していくのは十分予想できるが、日本の産業もただ傍観しているはずがないからだ。 しかし、需要が確実ならば、市場に参入しない理由はないと言うのが宋さんの主張。 彼女はこう説明した。南米の造船市場の先駆けにも同じことが言える。韓国からは距離のある地方であり、オーシャンエンテックが扱う造船材料よりも価格競争力のある中国製品を好んでいる。 それにもかかわらず、南米市場の開拓に向けて、数年にわたって市場調査と準備を進めていると説明した。
貿易を夢見る者はこれだけは身に着けよう
宋さんは、貿易業界に新たに参入する若いセールスマンに、語学力と国際マナーの両方を持ってもらいたいと話した。
実際、どんな業界であっても入門をしようとする人たちは、学歴、情熱、努力に大きな違いはないと言うのが宋さんの意見だ。彼女は類似したレベルを区別できる重要なポイントとして二つを挙げた。それは語学力と国際マナーだ。
大学で習得した日本語やヨーロッパで習得した英語を通じて、貿易業者として三か国語がこなせるのがどれだけの強みであるのかを筆者はインタビューを通して痛感してきた。でも、彼女の言う「国際マナー」の意味をどう思っているのか、もう一質問せざるを得なかった。

オーシャンエンテックの輸出品。Machine tool manufacture.
宋さんは少し考える時間を取った。その後、彼女は、韓国貿易協会が主催する「貿易アカデミー」を引用して、こう説明した。 「全従業員が、協会主催の『トレード·アカデミー』を学ぶようにしております。 このコースを修了すれば、基本的な貿易業務、運送、通関、関税、グローバルマーケティング、マーケティング戦略、国際的なトレンド、展示会マーケティング活用、分野別専門コースまで効果的に学ぶことができます。」 彼女は「感謝しているプロセスだ。」と賞揚を惜しまなかった。
彼女はまた、韓国貿易協会で「国際貿易マナー」を教えるカリキュラムも望んでいると話した。 どの業界も同じだが、様々なメーカーや外国人バイヤーと取引する業者は、人柄、資質、そして国際的なマナーを必ず持っていなければならないと宋さんは主張する。
インタビューを終えて挨拶をしながら突然、宋さんに最後の質問をした。 「それで、この仕事はなぜなさっていらっしゃいますか?」 彼女は笑顔で答えた。「嫌ならしませんよ!好きだからやっているんでしょ!」 彼女は、「会社で同じ目標を持って、一生懸命働いている社員が好きです。 彼らの目標は一つ一つが尊いです。」と言った。
彼女は日本の工場で急用ができて、自分で商品を届けてくれた時の感謝の気持ちを込めた担当者の笑顔が好きだったと言った。彼女はまた、輸出を繰り返す過程で技術が大幅に向上したことを喜んでいるある韓国メーカーの顔がとても嬉しかったとも言った。 彼女は生まれながらの貿易人そのものだった。(株)オーシャンエンテックの未来がさらに期待できる答えだった。
オーシャンエンテックの主な輸出先:日本
2018年の輸出目標: 日本の造船機資材市場のみならず、輸出先を多様化(2017年250万ドル→2018年300万ドル)
OceanEntec のマーケティングポイント:
1.専門知識を持て。
少なくとも1つのシーケンスフローの専門家である必要がある。
2.ディテールに正解がある。
ビジネスプロセスが安定している業界だからこそ、より繊細なセンスが必要である。
3.国際的なマナーを身に着けろ。
海外の顧客との信頼関係を築くことができる人柄を持ち、貿易ビジネスを行う国際感覚が語学習得よりも優先される。
ディテールに答えがある
代表者:宋海花(ソン·ヘファ)
設 立:2004年
本社所在地: No.802, Byucksan e-Centum Class One. 99 Centum Dong-Ro, Haeundae-Ku, Busan, 48059, South Korea
ホームページ:www.oceanentec.com
電話:+82-51-862-3939
主な輸出製品: 船舶用エンジン部品、造船部品、自動車部品
釜山(プサン)センタムシティーの市街は、それぞれの予定に追われ、どこかに向かう人たちで埋め尽くされていた。 6月の暑い日差しの中、センタムシティー市産業団地の密集した街の人波を抜け出して着いたところは造船機材・資材を世界市場に輸出する(株)オーシャンエンテックのオフィスだった。8階に上がって、オーシャンエンテックの宋海花(ソン·ヘファ)代表(52)に電話をしたら、10メートル先に電話が鳴った。 宋さんは会議の後、お客様を見送っていた。
(株)オーシャンエンテックのオフィスに入ると、造船などの重工業製品を輸出する企業とは信じられないほど、綺麗な内装に感銘を受けた。 この職場の雰囲気は全然違っていた。 宋さんの事務所の入り口から、英語、日本語、その他の聞き慣れない言葉が聞にした。 これは銃声なき戦争と言えるほど、専門商社らしい雰囲気だった。
事務所の壁に掛かっている三つの言葉が会社の社訓のようだった。
『迅速、正確、信頼』。
水をいただきながらお待ちしている間、宋さんは日本のバイヤーと電話をしていた。 電話の内容が完全に理解できたわけではないが、お互いの信頼に基づいて迅速かつ正確に対応してくれる宋さんのエネルギーを感じた。
*女人禁制の領域、造船業界に飛び込む*
(株)オーシャンエンテックは、造船資材を主な輸出品目とする会社として2004年に設立され、2014年に法人化した。創業者の宋海花(ソン·ヘファ)さんは、日本の大学を卒業した後、1992年に韓国に帰国していた。しかし、90年代初頭の韓国の企業文化は、女性は使い走りをしたり、タバコのお遣いをさせられたり、つまらない仕事を任されることが多かった。 結婚するということは、辞表を提出することと同じ意味だった。
このような状況下では留学生活が終わったばかりの女性、しかも結婚している女性を雇う企業は多くなかった。エントリシートも今のようにネットで提出出来なかった為、宋さんは200件以上の履歴書を手書きしたことを覚えている。
1994年に、やっとのことで彼女が入社に成功した最初の会社は韓国海洋大学出身のオーナーが設立した会社だった。 彼女の経歴は、日本やヨーロッパから輸入された造船機資材を国内の造船所に供給する営業チームから始まった。流暢な日本語と社交的な性格で、宋さんの販売キャリアは花開いた。
その中、より広い世界を体験するために1999年に退職し、語学研修のためにイギリスに渡り、2001年にはオランダの造船業界でも働いた。 2002年に韓国に帰国して以来、彼女は業界で働き続けてきた。
女性にとって造船業界で働くことは難しくないか、という質問に宋さんは首を横に振った。 彼女は、「重工業」という言葉には強烈な男性的イメージがあるが、製造から輸出までの流れには女性の繊細さが必要だと説明した。
その後、10年間の業界生活を経て、2004年にオーシャンエンテックを設立した。創業の理由は彼女が自分自身に持った確信と未来に対した不安だった。定年を過ぎても働く自信はあったが、子育て中のワーキングマザーとして定年まで生き残るかどうかについては不安であった。彼女はそんな考えに至ると、一刀両断に自ら会社を立ち上げた。
貿易商社は携帯電話とファクス、メールアカウントさえあれば、四畳半でも営業ができる仕事なので恐れはなかったと話した。彼女は「最初は、仕事も顧客もなく退屈していました。」と思い出しながら微笑んだ。 電話が全くならないので、彼女はよく冗談で友達に電話をして、「電話が通じるかどうか分からないから、私の事務所に電話してみて」と言っていたという。
しかし、宋さんはぶらぶらして過ごしたわけではない。大学時代と海外勤務の時マスターした日本語と英語を超え、中国語の勉強と大学院の過程も進めながら準備の時間を取った。
※「迅速、正確、信頼」で三井重工業との取引開始。
今のオージャンエンテックになった決定的なきっかけは三井造船のパートナー企業との提携であった。当初、船舶新造に必要な部品を納品するまでは大変困難を伴うことになるが、一度納品ができたら安定したシステムを維持することができる。 もちろん、これをを達成することは容易ではない。
宋さんは10年以上の造船機材・資材の輸出経験を持っていたが、創業当初は仕事がなかった。 業界の顔見知りの紹介で八か月目に受けた初発注は、日本の自動車工場で使われているフォークリフトのキャスターだった。2件目の注文は三菱自動車の工場で使用されているウレタンピースだった。その後、偶然にも、ある日本の銀行の支店長の紹介でさぬきうどんが使用する鈴木製麺機を受注した。
オーシャンエンテックのCIと船舶エンジン部品の輸出。「最初は図面を見たこともなく始まりましたが、三井造船とは15年間取引を続いています。専門知識、ディテールと世界市場で通用できるマナーが重要だと思います。」
初めは強い関係性ではなかったが、迅速で正確な営業力を発揮して見せた。その結果、鈴木製麺所の韓国代理店役を任されることとなった。現在、韓国の製麺技術力は急速に向上しているが、当時、三養(サムヤン)やオトギなど韓国の主要企業も鈴木製麺機を使用していたので、それなりの価値があった。宋さんはその頃に「迅速、正確、信頼」が社訓となったと彼女は語った。
この社訓のおかげで、三井造船の船舶新造に部品を納品してから15年間安定した取引を続け、現在は造船機材・資材を中心に非鉄加工品と機械加工品など大幅にその領域を拡大している。
*オーシャンエンテックの成長の秘訣*
2016年に初めて輸出額200万ドルを突破し、昨年(2017年)には250万ドル、今年(2018 年)は300万ドルの達成を目指している。
オーシャンエンテックの宋社長は、成長の秘訣として3つを挙げた。1つ目は専門知識、2つ目はディテール、3つ目はグローバル市場で通用できるマナーの3つを挙げている。
彼女は専門性を強調しながら、それも意志と努力の問題だと説明した。宋さんは、最初は造船業界の最高経営者(CEO)を担うには厳しい条件下にいた。入社まで図面の読み方も知らず、機械の工程は見たことすらない女性だったからだ。しかし、彼女は業界で流れている一連の業務を通し、少なくとも一つ以上は専門家になろうと努力をしてきた。それが彼女が業界で生き残れた理由であり、会社を成長させることができた礎になった。
次はディテールだ。特に、船舶新造のように、製造から輸出まで一貫している安定的な業界こそ、より繊細な注意を払わなければならない。変動が少なくて安定されている業界は、緊急の課題を見逃した時のダメージが莫大になるからだ。 最近、そのようなケースがあったと語った。
宋さんと職員は、長さ約2メートル、重さ約50キロ以上の加工物を船で日本の工場に直接届けたことがある。
長さ1メートル以上の資材は飛行機に積み込めず、20kg以上の資材は日本への高速船にも積み込めず、国際速達便で3日かかる。
日本の工場にとっては36時間以内に対処しなければならない緊急かつ重要な仕事だった。その故、宋さんは韓国工場での18時間の製造工程を含め、完成した製品をすぐに船に乗せ、30時間で日本の工場に直接納入することが出来た。
宋さんは、そのようなケースは頻繁には発生しないが、船舶新造スケジュール問題が発することは一件もあってはいけない。造船業界の安定と時間厳守は、このような観点から重要である。
オーシャンエンテックの全従業員は、三井造船の販売状況、経営上の変数、韓国メーカーの環境やスケジュール、三井と韓国メーカーの担当者の状況、そして彼らの最新のバイオリズムにさえ注意を払っている。つまり、わざわざこんなところまでと考えられることすら、全部チェックしているということだ。
コネクティングロッドとクランクピンベアリングキャップ
MGキャスティング3つ目に強調したのは国際的に求められる水準のマナーだった。 「マナー」という言葉の意味のより詳しい説明を聞いた。宋さんは、信頼を築ける準備ができている「人柄」と、貿易ビジネスをリードする「国際感覚」を「マナー」と説明した。
最後に、「従業員を雇うときも、自分が重視する専門知識やディテール、マナーを必ず確認するようにしております。」と締め括った。
*オーシャンエンテックの未来を聞く*
オーシャンエンテックが喫緊の課題として重点を置いたことは主に二つある。 一つ目は、国際海事機関(IOM)が2020年に施行する予定のNOX規制の下で増加するスクラバー需要に対する市場の開拓である。二つ目は南米の造船市場を開拓したいという願望だ。
どちらも簡単ではないと予想される。IMO規制により、スクラバー需要は増加していくのは十分予想できるが、日本の産業もただ傍観しているはずがないからだ。 しかし、需要が確実ならば、市場に参入しない理由はないと言うのが宋さんの主張。 彼女はこう説明した。南米の造船市場の先駆けにも同じことが言える。韓国からは距離のある地方であり、オーシャンエンテックが扱う造船材料よりも価格競争力のある中国製品を好んでいる。 それにもかかわらず、南米市場の開拓に向けて、数年にわたって市場調査と準備を進めていると説明した。
貿易を夢見る者はこれだけは身に着けよう
宋さんは、貿易業界に新たに参入する若いセールスマンに、語学力と国際マナーの両方を持ってもらいたいと話した。
実際、どんな業界であっても入門をしようとする人たちは、学歴、情熱、努力に大きな違いはないと言うのが宋さんの意見だ。彼女は類似したレベルを区別できる重要なポイントとして二つを挙げた。それは語学力と国際マナーだ。
大学で習得した日本語やヨーロッパで習得した英語を通じて、貿易業者として三か国語がこなせるのがどれだけの強みであるのかを筆者はインタビューを通して痛感してきた。でも、彼女の言う「国際マナー」の意味をどう思っているのか、もう一質問せざるを得なかった。
オーシャンエンテックの輸出品。Machine tool manufacture.宋さんは少し考える時間を取った。その後、彼女は、韓国貿易協会が主催する「貿易アカデミー」を引用して、こう説明した。 「全従業員が、協会主催の『トレード·アカデミー』を学ぶようにしております。 このコースを修了すれば、基本的な貿易業務、運送、通関、関税、グローバルマーケティング、マーケティング戦略、国際的なトレンド、展示会マーケティング活用、分野別専門コースまで効果的に学ぶことができます。」 彼女は「感謝しているプロセスだ。」と賞揚を惜しまなかった。
彼女はまた、韓国貿易協会で「国際貿易マナー」を教えるカリキュラムも望んでいると話した。 どの業界も同じだが、様々なメーカーや外国人バイヤーと取引する業者は、人柄、資質、そして国際的なマナーを必ず持っていなければならないと宋さんは主張する。
インタビューを終えて挨拶をしながら突然、宋さんに最後の質問をした。 「それで、この仕事はなぜなさっていらっしゃいますか?」 彼女は笑顔で答えた。「嫌ならしませんよ!好きだからやっているんでしょ!」 彼女は、「会社で同じ目標を持って、一生懸命働いている社員が好きです。 彼らの目標は一つ一つが尊いです。」と言った。
彼女は日本の工場で急用ができて、自分で商品を届けてくれた時の感謝の気持ちを込めた担当者の笑顔が好きだったと言った。彼女はまた、輸出を繰り返す過程で技術が大幅に向上したことを喜んでいるある韓国メーカーの顔がとても嬉しかったとも言った。 彼女は生まれながらの貿易人そのものだった。(株)オーシャンエンテックの未来がさらに期待できる答えだった。
オーシャンエンテックの主な輸出先:日本
2018年の輸出目標: 日本の造船機資材市場のみならず、輸出先を多様化(2017年250万ドル→2018年300万ドル)
OceanEntec のマーケティングポイント:
1.専門知識を持て。
少なくとも1つのシーケンスフローの専門家である必要がある。
2.ディテールに正解がある。
ビジネスプロセスが安定している業界だからこそ、より繊細なセンスが必要である。
3.国際的なマナーを身に着けろ。
海外の顧客との信頼関係を築くことができる人柄を持ち、貿易ビジネスを行う国際感覚が語学習得よりも優先される。